
はじめに
本データ分析チャレンジコンテストは、日本の製造業におけるPHM(Prognostics and Health Management)の取組拡大、活性化を目的として実施するものです。日本の製造業にお勤めのデータサイエンティストの方々に応募を頂くことを想定しています。ぜひ奮ってご参加頂きますようお待ちしております。皆さんで「ものづくり日本」におけるデータ活用の取組みを盛り上げていきましょう!
コンテスト概要
分析課題 | バッテリーの残寿命予測 |
---|---|
使用データ | 各バッテリー(ユニット)に対する -充電サイクルデータファイル -放電サイクルデータファイル |
サブミット | テンプレートファイルに従って予測結果をサブミット頂きます。 サブミットできる回数は本コンテスト期間内で最大10回までとします。 ※1日にサブミット出来る回数に制限はありません。 |
その他提出物 | 入賞者2名は予測モデルをご提出頂きます。 (確認目的であり、著作権は作者に留保されます。) |
評価基準 | スコアリングとランキングは、予測された残寿命が実際の残寿命にどれだけ近いかにより決定します。 |
使用ツール | Python、R、Matlab(※)のいずれかとします。 ※希望者にはMathworks社のご協力によりMatlabおよび関連ツールキットの評価版をご利用頂くことが出来ます。以下URLよりお申し込み下さい。 https://jp.mathworks.com/campaigns/products/trials/targeted/pdm.html |
スケジュール | 9月30日(木)、10月1日(金)入賞者確定、10月14日(木)表彰式(PHM Conference 2021 in JAPAN内にて) |
表彰 | 上位2名を表彰し、賞品として、1位 5万円分相当、2位 2万円分相当のギフト券を進呈します。 |
参加資格とエントリー方法
今回の趣旨に鑑み、本チャレンジコンテストの参加資格は、「ご参加者の所属勤務先が日本の製造業であること」と致します。(申込時に勤務先の確認をさせて頂きますが、それ以外で会社名が公表されることはありません。また、勤務先業務として応募するのか、資格を有する個人として応募するかは事務局としては問いません)
参加資格を有しない、非製造業にお勤めの方や個人事業主の方、学生その他の方々は、今回はご参加を頂けませんのでご理解の程お願い申し上げます。お申し込みの方の勤務先が「製造業」に該当するか否かは事務局にて判断をさせて頂きます。お申し込み後、「製造業」に該当しないと事務局が判断する場合は、お断りする場合がありますので予めご了承下さい。
エントリーにあたっては、ルールをご確認頂き、ご同意頂ける方のみ申込み可能です。(お申込み頂いた方はご同意頂いたものと見なします)
以下参加申込みフォームに参加者(チーム応募の場合は代表者の方)情報をご記入ください。
参加資格情報を確認の上、事務局よりご回答アドレス宛にデータダウンロードのご案内をお送り致します。
なお、チームでの応募の際、表彰賞品はエントリー時に記載された代表者へ与えられるものとし、権利の譲渡は認められません。
背景
ある自動車会社では、将来リリースする電気自動車にバッテリーの健全性と寿命予測機能(PHM)を組み込むため、リチウムイオン電池とその容量がどの様に低下するかを研究しています。この研究が成功すれば、電気自動車に新しい技術を搭載し、リチウムイオンバッテリーの適切な交換時期をドライバーに知らせる事が出来ると考えています。この技術課題をより詳細に研究するため、バッテリーが寿命に達するまでの実験を行っています。この実験では、バッテリーの寿命に到達するまで、充電/放電のサイクルを何回も繰り返し行います。
新しい研究開発活動であることを考慮し、まずはバッテリーの寿命が尽きるまでの実験を3回行いました。現在、同じ実験を3回実施中です。(本データでは、まだバッテリーは故障していません。) 時間の経過と伴にバッテリーの状態がどう変化するかを理解するために、電流・電圧・温度を測定しています。 これらのデータから、バッテリーが持続出来る残りのサイクル数を予測可能なモデルの開発が必要です。このモデル開発が成功し、実施中の3つの実験データ(テストデータ)で残りのサイクルを正確に予測できれば、現在研究しているバッテリーの健全性管理と寿命予測(PHM)の技術に大きな自信が得られ、研究チームと事業ユニットを説得し、この研究開発活動を継続する事が出来ます。
課題
課題は、リチウムイオンバッテリーの健全性の監視及び残寿命予測モデルを開発する事です。新しい状態から寿命が尽きるまでのバッテリーからデータを収集した3つの学習用データセットが提供されます。今回の目的は、これら3つのデータセットを学習データとして予測モデルのトレーニングを行い、テスト データセットの 3 つのバッテリーの残寿命 を正確に予測することです。 テストデータセットの3つのバッテリー残寿命を推定し、その予測結果を提出して下さい。
データについての説明
※データ出所:NASA Ames Research Center,Moffett Field, CA
各バッテリー(各ユニット)に対して、充電サイクルデータファイルと放電サイクルデータファイルのフォルダがあります。 各ファイルは 1 サイクルを意味し、学習用のユニットではバッテリーが故障するまでのファイルが提供されます。ユニット1の寿命は124サイクル、ユニット2の寿命は40サイクル、ユニット3の寿命は97サイクルとなっています。テストユニットの場合、バッテリーの寿命は不明であり、ゴールは残りの寿命を予測することです。テストユニットでは、ユニット1は現在70サイクル、ユニット2は12サイクル、ユニット3は55サイクルまでの実験が実行されています。
充電サイクルと放電サイクルの両方でバッテリーの健全性を監視する6つのデータがあります。表 1では放電側のデータ、表 2では充電側のデータを掲載しています。測定項目は様々な電圧・電流・温度から構成され、それぞれの計測単位を提供しています。
表1:放電側の各ファイル/サイクルの列名
列番号 | 列名 | 説明 |
---|---|---|
1 | Time (s) | サイクル内での経過時間 (s) |
2 | Voltage Measured (V) | バッテリーターミナルでの電圧 (Volts) |
3 | Voltage Load (V) | 負荷で測定された電圧 (Volts) |
4 | Current Measured (Amps) | バッテリー出力電流 (Amps) |
5 | Current Load (Amps) | 負荷で測定された電流 (Amps) |
6 | Temperature (degree C) | バッテリー温度 (℃) |
表2:充電側の各ファイル/サイクルの列名
列番号 | 列名 | 説明 |
---|---|---|
1 | Time (s) | サイクル内での経過時間 (s) |
2 | Voltage Measured (V) | バッテリーターミナルでの電圧 (Volts) |
3 | Voltage Charge (V) | 充電器で測定された電圧 (Volts) |
4 | Current Measured (Amps) | バッテリー出力電流 (Amps) |
5 | Current Charge (Amps) | 充電器で測定された電流 (Amps) |
6 | Temperature (degree C) | バッテリー温度 (℃) |
精度評価基準
スコアリングとランキングは、予測された残寿命が実際の残寿命にどれだけ近いかにより決定します。スコアリングの評価は、以下の式による平均絶対誤差(MAE)で行います。

上記式のMAE (Mean Absolute Error) は、実際の残寿命と予測値との差異になります。
分析結果のサブミット
参加者は、事務局より提供されるテンプレートを使用して結果を指定の宛先へ送信して頂きます。(テンプレートは残寿命予測値の一例です。作成したモデルで予測した結果を入力して下さい。)サブミットはコンテスト期間中10回まで認められます。事務局ではサブミットを受けた後にスコア算出を致しますが、テンプレートに従った入力内容になっていないと、スコア算出時にエラーで弾かれます。この場合は事務局より連絡をいたしますので再度ご提出頂くことが可能です。送信するテンプレートのファイル名は「AccountID_dd_mm_yyyy.csv」の形式として提出して下さい。
※事務局でスコアを算出しますが、連絡する結果は「現在のトップスコアとの比率(コンテストの結果を参照)」、「前回サブミットした結果との差異」、「これまでのサブミット回数」のみとなります。
コンテスト結果について
リーダーボードでは、参加者の各サブミットをランク付けし、スコアの比率をリーダーボードに表示します。例えば、「スコアボードの値 = サブミットスコア/参加者内のトップスコア」となります。精度評価基準(MAE)では低いスコアの方が優れている事になります。従いまして、リーダーボード上でも低いスコアが望まれます。(値1の方がリーダーボードのトップになります。)
※リーダーボードは毎週金曜日に更新します。但し、コンテストの最終週である9月27日週は毎日更新します。
ランキング締め切り後に、最後に提出されたサブミットに基づき全てのサイクルでの結果でスコアを算出し、最終ランキングとして公表いたします。
ルール
参加規約
1.
参加者は「日本の製造業に所属勤務する者」とし、勤務先のメールアドレスを含む名刺情報を事務局へ開示するものとします。
2.
本コンテストの参加者同士での予測に関する情報のやり取りは認められません。
3.
予測モデルの作成にあたって、使用するツールは、Python、R、Matlabのいずれかに限定されるものとします。
4.
サブミット出来る回数は本コンテスト期間内で最大10回までとします。
(1日にサブミット出来る回数に制限はありません。)
5.
入賞者は2021年10月14日に東京で開催される表彰式に参加するものとします。(遠隔地の方の交通費は事務局で負担を検討します)
※緊急事態宣言の発令状況が継続される場合、表彰式会場へお越しいただく事は見送らせていただきます。表彰式の開催内容について詳細は、入賞者2名の方へご連絡致します。
6.
入賞者は開発したモデルのソースコードを事務局へ提出するものとします。
また、提出したソースコードから事務局が分析アプローチを読み説き、それに関するコメントを表彰式で事務局より講評することについて同意するものとします。
7.
入賞者は賞品の権利を他人へ譲渡することは出来ません。
モデルの権利等
1.
入賞者が提出するモデルの著作権は参加者に留保されますが、事務局が本コンテストを遂行するのに必要な利用については許諾されるものとし、当該利用に対し、参加者は著作者人格権に基づくものを含め、何ら異議申し立てや対価の請求等を行わないものとします。
2.
事務局は、本コンテスト遂行のために提出されたモデルを使用するものとし、表彰式終了後破棄いたします。
3.
参加者は、開発したモデルが自らのオリジナルであり、第三者の著作権等の知的財産権その他の権利を侵害するものではなく、また公序良俗に反するものではないことを保証するものとします。
モデル作成方法
1.
予測モデルの作成にあたって、使用するツールは、Python、R、Matlabのいずれかに限定されるものとします。
情報の取扱に関して
1.
参加者は事務局より提供された情報について、本コンテストに関する利用以外の用途には使用しないものとします。
2.
本コンテストの参加者同士での予測に関する情報のやり取りは認められません。
3.
参加者は事務局より提供されるデータ以外のデータを用いてモデルを学習することは出来ません。
個人情報の取り扱い
1.
参加者は、本チャレンジコンテストへの参加申し込み及び参加にあたって事務局に提供した個人情報が、以下の目的のために、事務局及び事務局の指定する第三者により、処理、保存、及び使用されることに同意するものとします。
(1)本チャレンジコンテストの開催、運営及びこれに関連する事項のため
(2)事務局または協力者からの案内情報の提供や各種アンケート送付のため
2.
事務局の個人情報の取り扱い方針は、以下のURLを参照してください。
https://www.isid.co.jp/policy.html
スケジュール
2021年8月30日(月):コンテスト告知、募集開始
2021年9月30日(木):コンテスト応募受付終了
2021年10月1日(金):最終順位の確定
2021年10月4日(月):入賞者2名のモデル提出
2021年10月14日(木):表彰式 ※
※同日に開催される「PHM Conference 2021 in JAPAN」内にて表彰式開催
※当日はオンライン開催を予定しております。表彰式の開催内容については、入賞者2名の方へご連絡致します。
主催者/事務局
株式会社電通国際情報サービス
製造ソリューション事業部 製造営業企画部・DER技術1部内
PHMC2021 データチャレンジコンテスト事務局(森賀、小泉、内藤、大西)
E-mail: g-phmc-datachallenge@group.isid.co.jp
分析ツール協力
運営協力会社
Predictronics Corp.(https://predictronics.com/)
所在:米国オハイオ州
代表者:Edzel Lapira, President, CEO