
はじめに
本データ分析チャレンジコンテストは、日本の製造業におけるPHM(Prognostics and Health Management)の取組拡大、活性化を目的として実施するものです。日本の製造業にお勤めのデータサイエンティストの方々に応募を頂くことを想定しています。ぜひ奮ってご参加頂きますようお待ちしております。皆さんで「ものづくり日本」におけるデータ活用の取組みを盛り上げていきましょう!
コンテスト概要
分析課題 | 工作機械の刃具の摩耗予測 |
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使用データ | 訓練用データ(刃具が新品の状態から摩耗するまでのデータ) 検証用データ(各刃具のフォース・振動・AEを計測したデータ) |
サブミット | テンプレートファイルに従って予測結果をサブミット頂きます。 サブミットは1日につき1回までとします。 ※土日祝日にサブミットした場合、ランキング結果反映は翌営業日以降になります。 ※サブミットは1日1ファイル提出となります。提出されなかった日の分を、別の日分としてまとめてご提出することはご遠慮ください。 |
その他提出物 | 入賞者2名は予測モデルをご提出頂きます。 (確認目的であり、著作権は作者に留保されます。) |
評価基準 | 精度 |
使用ツール | Python、R、Matlab(※)のいずれかとします。 ※希望者にはMathworks社のご協力によりMatlabおよび関連ツールキットの評価版をご利用頂くことが出来ます。以下URLよりお申し込み下さい。 https://jp.mathworks.com/campaigns/products/trials/targeted/pdm.html |
スケジュール | 応募受付終了は8月21日(金)、8月下旬入賞者確定、10月27日(火)表彰式(PHM Conference 2020 in JAPAN内にて) |
表彰 | 上位2名を表彰し、賞品として、1位 5万円分相当、2位 2万円分相当のギフト券を進呈します。 |
※PHM Societyが主催する「annual conference of the prognoctics and health management society 2020」(http://www.phmsociety.org/events/conference/phm/20)への参加招待を 当初予定しておりましたが、現在の新型コロナウィルスの感染拡大状況を考慮して取りやめとさせていただきました。
参加資格とエントリー方法
今回の趣旨に鑑み、本チャレンジコンテストの参加資格は、「ご参加者の所属勤務先が日本の製造業であること」と致します。(申込時に勤務先の確認をさせて頂きますが、それ以外で会社名が公表されることはありません。また、勤務先業務として応募するのか、資格を有する個人として応募するかは事務局としては問いません)
参加資格を有しない、非製造業にお勤めの方や個人事業主の方、学生その他の方々は、今回はご参加を頂けませんのでご理解の程お願い申し上げます。お申し込みの方の勤務先が「製造業」に該当するか否かは事務局にて判断をさせて頂きます。お申し込み後、「製造業」に該当しないと事務局が判断する場合は、お断りする場合がありますので予めご了承下さい。
エントリーにあたっては、ルールをご確認頂き、ご同意頂ける方のみ申込み可能です。(お申込み頂いた方はご同意頂いたものと見なします)
参加申込書(ダウンロードはこちら)にご記入の上、以下の受付アドレスへお送り下さい。折り返し、ご勤務先アドレス宛にデータダウンロードのご案内をお送り致します。(参加資格の確認のため)
エントリー受付アドレス:g-phmc-datachallenge@group.isid.co.jp
参加申込書ダウンロードなお、チームでの応募も認めますが、表彰賞品はエントリー時に記載された代表者へ与えられるものとし、権利の譲渡は認められません。
背景
ある自動車メーカーでは部品の加工に様々なCNC工作機械が使用されています。最近、あるフライス盤の加工機で、表面加工時に品質問題が発生しました。エンジニアのこれまでの経験から、品質問題は刃具の摩耗が原因であると推察されました。この問題に取り組む為に、刃具の状態監視及びこの先の状態を予測し、摩耗する前に刃具を交換し、加工品質を維持しようと考えました。
この様な取り組みは初めてであった為、今回新たに計測システムを導入し、データを収集しました。工作機械上にフォース・振動・AE(Acoustic Emission)センサーを設置し、センサーからの信号が刃具の摩耗にどう影響するかを把握する事にしました。最初の実験では、刃具のフルートの摩耗を計測する装置も設置しました。(今回のケースでは、3つのフルートの最大摩耗値を刃具の摩耗とします。摩耗量の平均ではありません。) 最初の実験では、刃具が新品の状態から完全に摩耗するまで実施し、データを収集しました。刃具摩耗の計測はサイクル毎に行いました。(完全に摩耗するまで、全部で315サイクルでした。)
しかしながら、摩耗の計測は手間と時間が掛かる為、この先も継続的に実施するのは難しいと判断しました。そこで本自動車メーカーは、最初のデータセットを訓練データとして使用し、学習したモデルとセンサー計測値(フォース・振動・AE)から刃具の摩耗を予測する事にしました。今回、対象となる工作機械の刃具から200サイクル分のセンサーデータを収集しました。予測モデルは最初の200サイクルまでの摩耗を予測するものと、その先の115サイクルを予測するモデルが必要です。2つのモデルは、刃具の摩耗量が大きくなり品質問題が発生する前に、いつ刃具を交換するかを計画するのに役立ちます。
課題
刃具の摩耗状態を時系列に監視・予測するシステムを開発します。刃具が新品の状態から摩耗するまでのデータセットを提供しますので、そのデータを訓練データとして使用し、2つの刃具の将来的な摩耗量を正確に予測するモデルを作成するのがゴールとなります。モデルは、最初の200サイクルの摩耗量とその次の115サイクルの摩耗量を予測する事が必要です。訓練用と検証用のデータセットでは、摩耗量は3つのフルートの最大値を摩耗とします。
データについての説明
※データ出所:“Singapore Institute of Manufacturing Technology, Agency of Science, Technology and Research (A*STAR) Singapore”
刃具の摩耗監視には7つのデータを使用します。7つのデータのリストを下記表に示します。フォース・振動のデータのサンプリングレートは50Khz、スピンドル速度は 10,400 rpm、送り速度は1,555 mm/min、y切込み量(半径方向)は0.125mm、z切込み量 (軸方向) は0.2 mmです。1データファイルは1サイクルを意味し、本フライス盤が1つの部品を製造する時のデータです。
訓練データは全部で315ファイル(サイクル分)のデータファイルとサイクル毎のフルートの摩耗量のデータが提供されています。
検証用データには2つのフォルダーがあり、それぞれが各刃具のフォルダーです。データファイルはフォース・振動・AEを計測した1サイクル毎のものですが、実際の摩耗量データは提供されません。200のデータファイル(200サイクル分)が検証用データとして用意されています。本コンテストの目的は、最初の200サイクルの3つのフルートの最大摩耗量と、次の115サイクルの最大摩耗量を予測する事になります。
列番号 | センサー名 |
---|---|
1 | X方向のフォース (N) |
2 | Y方向のフォース (N) |
3 | Z方向のフォース (N) |
4 | X方向の振動 (g) |
5 | Y方向の振動 (g) |
6 | Z方向の振動 (g) |
7 | AE(Acoustic Emission)のRMS (V) |
精度評価基準
サイクルにより2つの評価基準があります。1つは最初の200サイクルまでのものと、もう1つは201-315サイクルのものです。両方とも平均絶対誤差を使用します。


上記式のMAE (mean absolute error) は、サイクル毎の実際の摩耗量と予測値との差異になります。
分析結果のサブミット
参加者は、事務局より提供されるテンプレートを使用して結果を指定の宛先へ送信して頂きます。(テンプレートは単なる摩耗予測値の一例です。作成したモデルで予測した結果を入力して下さい。)サブミットは1日につき1度まで認められます。事務局ではサブミットを受けた後にスコア算出を致しますが、テンプレートに従った入力内容になっていないと、スコア算出時にエラーで弾かれます。この場合は事務局より連絡をいたしますので再度ご提出頂くことが可能です。
送信するテンプレートのファイル名は「AccountID_dd_mm_yyyy.csv」の形式として提出して下さい。
コンテスト結果について
スコアは無作為に選択されたサイクル(50%)による結果で算出され、スコアに基づくランキングに掲載されます。ランキングは適宜更新され、アップデートされます。サブミット後にスコアのフィードバッグを都度メールにて返信します。(スコア自動算出・自動メール返信ではありませんので、スコアフィードバックにはお時間をいただく場合もございます。)ランキング掲載のスコアは、全サブミットの中で最良のスコアを掲載します。
ランキング締め切り後に、最後に提出されたサブミットに基づきすべてのサイクルでの結果でスコアを算出し、最終ランキングとして公表いたします。
ルール
参加規約
1.
参加者は「日本の製造業に所属勤務する者」とし、勤務先のメールアドレスを含む名刺情報を事務局へ開示するものとします。
2.
入賞者は2020年10月27日に東京・品川で開催される表彰式に参加するものとします。(遠隔地の方の交通費は事務局で負担を検討します)
3.
入賞者は開発したモデルのソースコードを事務局へ提出するものとします。
また、提出したソースコードから事務局が分析アプローチを読み説き、それに関するコメントを表彰式で事務局より講評することについて同意するものとします。
4.
入賞者は賞品の権利を他人へ譲渡することは出来ません。
モデルの権利等
1.
入賞者が提出するモデルの著作権は参加者に留保されますが、事務局が本コンテストを遂行するのに必要な利用については許諾されるものとし、当該利用に対し、参加者は著作者人格権に基づくものを含め、何ら異議申し立てや対価の請求等を行わないものとします。
2.
事務局は、本コンテスト遂行のために提出されたモデルを使用するものとし、表彰式終了後破棄いたします。
3.
参加者は、開発したモデルが自らのオリジナルであり、第三者の著作権等の知的財産権その他の権利を侵害するものではなく、また公序良俗に反するものではないことを保証するものとします。
モデル作成方法
1.
予測モデルの作成にあたって、使用するツールは、Python、R、Matlabのいずれかに限定されるものとします。
情報の取扱に関して
1.
参加者は事務局より提供された情報について、本コンテストに関する利用以外の用途には使用しないものとします。
2.
本コンテストの参加者同士での予測に関する情報のやり取りは認められません。
3.
参加者は事務局より提供されるデータ以外のデータを用いてモデルを学習することは出来ません。
個人情報の取り扱い
1.
参加者は、本チャレンジコンテストへの参加申し込み及び参加にあたって事務局に提供した個人情報が、以下の目的のために、事務局及び事務局の指定する第三者により、処理、保存、及び使用されることに同意するものとします。
(1)本チャレンジコンテストの開催、運営及びこれに関連する事項のため
(2)事務局または協力者からの案内情報の提供や各種アンケート送付のため
2.
事務局の個人情報の取り扱い方針は、以下のURLを参照してください。
https://www.isid.co.jp/policy.html
スケジュール
2020年7月1日(水):コンテスト告知、募集開始
2020年8月21日(金):コンテスト応募受付終了
2020年8月26日(水):最終順位の確定
2020年8月28日(金):入賞者2名のモデル提出
2020年10月27日(火):表彰式※
※同日に開催される「PHM Conference 2020 in JAPAN」内にて表彰式開催
※当日はオンライン開催を予定しております。表彰式の開催内容については、入賞者2名の方へご連絡致します。
主催者/事務局
株式会社電通国際情報サービス
製造ソリューション事業部 製造営業企画部・DER技術1部内
PHMC2020 データチャレンジコンテスト事務局(森賀、小泉、内藤、大西)
E-mail: g-phmc-datachallenge@group.isid.co.jp
TEL: 03-6713-7106
分析ツール協力
運営協力会社
Predictronics Corp.(https://predictronics.com/)
所在:米国オハイオ州
代表者:Edzel Lapira, President, CEO