第35回IMSセンターIAB(Industrial Advisory Board)に参加してきました!
米国National Science Foundation(略称NSF:アメリカ国立科学財団)で2001年に設立された産学連携プログラム”The Center for IMS(Intelligent Maintenance Systems)、略称IMSセンター” は設立以来17年に亘り、シンシナティ大学やミシガン大学など中心となる4つの大学と会員である民間企業が会員企業の固有の製品または生産設備に関する故障予知、故障診断技術の共同研究を行っています。システム工学的に故障予知にアプローチする考え方を海外ではPHM(Prognostics and Health Management)と呼びますが、IMSセンターはPHM領域における世界最高峰レベルの研究実績を持つ団体です。本センターは年2回、IAB(Industrial Advisory Board)という会議体を開催しており、直近半年間でのプロジェクトの成果報告を会員間でシェアし、次の半年の活動計画を議論する場となっています。ISIDはこのIMSセンターからスピンアウトして設立されたPredictronics Corp.と資本業務提携をしている関係でパートナー会社として、PHMへの取組を検討する日本企業をお誘いして参加しています。
今回、第35回を迎えるIABは、2018年7月19・20日の両日にわたりアメリカ ニューヨークのIBM Thomas J Watson Research Centerで開催されました。(毎回、会員企業の場所をお借りして開催されます)IMSセンターは17年に亘り活動していますが、今年中には同じくNSFの産学連携プログラムとして”Center for Industrial Artificial Intelligence,略称IAIセンター”という名前で組織改編する方針が決まっており、従来の成果報告会ではなくIAIセンターへの改編に向けた「Planning Meeting」という位置づけで開催されました。
基本的にIMSセンター参画企業はそのままIAIセンター参画企業となり、正式な組織改編は次回IABの開催が予定される2018年12月頃完了予定とのアナウンスがなされています。今回のPlanning Meetingにおいては、冒頭IMSセンターの創設リーダーであり、IAIセンターの創設リーダーでもあるシンシナティ大学のJay Lee教授及びミシガン大学のJun Ni教授のお二方から新組織への移行改編に向けた力強いメッセージがありました。IMSセンターが掲げてきたコンセプト”ゼロダウンタイムによる生産性向上や設備寿命の改善を目指したPHM領域の先端研究機関”という路線に変更はなく、より大きな成果である「システムやプロセスそのものの自動化、自律化やオペレーションの最適化」といったレベルの研究へ発展されるということでした。
以後、ホスト役であるIBMを皮切りに、パートナー企業と会員企業であるAnalatom, Applied Materials, Foxconn, National Instruments, Siemens, Predictronics Corp. ,DENSOと各社からデータ分析技術活用に向けたプレゼンが続き、最後に登壇者全員とのQAセッションを行い活発な議論が交わされていました。
続いて、午後のセッションでは各大学の教授及び”Associated Professor”からIAIセンターで予定している研究テーマの発表が次々となされました。従来の製品または生産設備に関する故障予測以外にも今後益々の利用が見込まれる“Additive Manufacturing”機器に対する故障/生産不良のモニタリング技術研究、医療診断分野での研究、介護支援やスポーツにおける機器や行動データの研究など従来見られなかったようなテーマもいくつか取り上げられており、今後のIAIセンターへの期待が膨らみます。
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【事務局】
株式会社電通国際情報サービス 営業推進本部 インダストリアル・ビッグデータ営業推進部
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